高橋金三郎(元宮城教育大教授)
すぐ使ってみたいという気をおこさせる(漢字がたのしくなる本シリーズ推薦文)
日本語は、いまは漢字・かなまじり文でないと表現できない。かなだけではとてもだめだ。ローマ字も、その表記を大改革しないかぎり、絶対に無理だと思う。
だから、漢字を使うと、どんなに日本語が豊かになり、わかりやすくなるかを実感できるように、漢字を楽しく教えたい。ただ書けばいいというのではだめだろう。漫画がいっぱいあれば楽しいというものでもないだろう。
『漢字がたのしくなる本』はそこに特色があるようだ。漢字の発生も、へんやつくりの意味も、ただ説明してあるだけでなく、すぐ使ってみたいという気をおこさせる。
身体関係、道具関係と、漢字をまとめてあるのもおもしろい。子どもの連想をすぐ助けられる。日本語のなかで漢字をどう使うか、工夫してあるのもたいへんいいと思う。