新宿二丁目の文化人類学
ゲイ・コミュニティから都市をまなざす
新宿二丁目の文化人類学
ゲイ・コミュニティから都市をまなざす
発行日 |
2015年07月発行 |
判型 |
四六判・上製 |
頁数 |
400ページ |
価格 |
本体3000円+税 |
ISBN |
ISBN978-4-8118-0784-3 |
Cコード |
C0036 |
新宿二丁目に生起する人びとの関係を、ていねいで鋭い観察により、生活世界として描きだす。
セクシュアリティ研究、都市論、歴史学の領域を交差させたパイオニア的研究!
はじめに
序章■文化人類学と新宿二丁目と
1●どのように書くか、なぜ書くか
2●フィールドをめぐって
3●ゲイバーとは
4●文化人類学とゲイ研究
5●本書の構成について
【 I 新宿二丁目の民族誌】
第1章■変化する二丁目
1●レインボー祭りの開催
2●祭りの分析
3●二丁目とゲイ・コミュニティ
4●組織化としての新宿2丁目振興会
小結●象徴化されつづける二丁目
第2章■盛り場における社会的結合
1●盛り場と都市
2●多層構造と「コモン」
3●利用者が接合される「なじみ」
小結●二丁目にみる盛り場の構造
第3章■ゲイバーの民族誌
1●商売と「相互扶助」のあいだで
2●ゲイバーで働く、ゲイバーに通う
3●ゲイメンズバーにおける社会的結合
小結●共同性と演出性が並存する空間として
【 II 新宿の歴史とゲイの歴史】
第4章■新宿の編成
1●新宿の変遷
2●新宿の場所性
3●空間の物理的編成
小結●新宿を動かしてきたもの
第5章■ゲイをめぐる社会状況の変化
1●ゲイをとりまく現状
2●沈黙から顕在化への歴史
3●コミュニティ感の醸成
4●概念枠組みの変化と多面性/多層性
小結●沈黙の歴史からコミュニティ意識へ
【 III セクシュアリティとコミュニティ】
第6章■セクシュアリティ再考
1●新宿二丁目とセクシュアリティ
2●パートナーシップとコミュニティ
3●ゲイメンズバーから考えるセクシュアリティ
小結●新たな視点からのセクシュアリティ論
結章■<コミュニティ化>する新宿二丁目
1●社会的空間としての二丁目
2●ゲイの抵抗的実践
3●「コモンズ」と<コミュニティ化>
4●そして、新宿二丁目のいま
あとがき
引用文献/文献レビュー
砂川秀樹(すながわひでき)
文化人類学者・博士(学術)。東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学コース)博士課程単位取得満期退学。1990年より20年以上にわたり、東京で、HIV/AIDSに関する支援活動や啓発に関する研究に関わり、LGBTのパレードなどのコミュニティ活動も牽引。また、文化人類学者として、実践女子大学、東京大学、筑波大学、関東学院大学等で非常勤講師をつとめてきた。2011年に沖縄へ帰郷、レインボーアライアンス沖縄設立。2013年、沖縄で初めてとなるLGBTプライドイベント「ピンクドット沖縄」を共同代表として実現。共編に『カミングアウトレターズ』(太郎次郎社エディタス)。