「ひと」BOOKS
授業 虹の科学
光の原理から人工虹のつくり方まで
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授業 虹の科学
光の原理から人工虹のつくり方まで
発行日 |
2015年02月発行 |
判型 |
A5判・並製 |
頁数 |
160ページ |
価格 |
本体1800円+税 |
ISBN |
ISBN978-4-8118-0779-9 |
Cコード |
C0044 |
虹があらわれる気象条件、水滴による作用の光学的理解、さまざまな形態の虹への数理解析……。あらたな発見と疑問が、知れば知るほどあらわれる魅惑の現象、「虹」。その魅力にとりつかれた著者が、観察・解析・実験までを網羅し、平易に解説。
はじめに
第1章 直進する光 光と水滴の基礎知識1
1.光の性質その1
光の直進/光の反射と屈折/光の分散
2.水滴に当たった光の反射・屈折
水滴は丸い/水滴に当たった光の表面反射/水滴に入射した光の反射・屈折
3.虹角について
[コラム]
虹と科学者1 光の分散に関するニュートンの実験
虹と科学者2 アリストテレスによる虹の説明
虹と科学者3 デカルトによる虹の説明
第2章 虹の不思議を解き明かす
虹の不思議を解き明かすために
Q1なぜ、色のついた光の帯が空に見えるのか?
Q2どうして、2重の虹が見えるのか?
ふたつの射出光線/3重の虹は?/そのほかの理由でできる多重の虹
Q3いつ、どこに見えるのか?
Q4虹の大きさは違う?
Q5なぜアーチ型なのか? 丸い虹は?
Q6虹のアーチをくぐれるか?
Q7虹は7色か?
[コラム]
虹を探して1 水田での反射光
虹と科学者4 ガリレオによる虹の高さの説明
虹と科学者5 デカルトによる逆さ虹の説明
虹と科学者6 ニュートンによる虹の説明
虹と雨1 水滴の大きさと落下の速さ
虹と雨2 水滴の形
第3章 波としての光 光と水滴の基礎知識2
1.光の性質その2
光の回折/光の干渉/光の本性/光波の波長/光の散乱/波動の伝わり方と重ねあわせの原理
2.水滴に当たった光波の干渉
3.水滴に当たった光波の散乱と強さ
定性的理解/水滴に当たった散乱光の強さ
[コラム]
虹と科学者7 ヤングの光の干渉実験
虹と科学者8 ホイヘンスの光の波動説と波の進行の説明
第4章 虹はほんとうに7色か?
1.ふたたび、虹は7色か?
波長と水滴の相互作用から考える/赤虹について/月虹(ムーンボウ)について
2.さらなる虹の理解のために
[コラム]
虹と科学者9 愛知敬一と田中館寅士郎による虹の説明
虹と科学者10 大久保茂男と原子核の虹の研究
虹を探して2 虹の滝
第5章 虹をつくる、観察する
1.ワイングラスで虹をつくる
2.虹ビーズで人工虹をつくる
3.ホースで散水して虹をつくる
4.自然虹を観察する
[コラム]
虹を探して3 消防車3台で巨大な虹づくり
おわりに
付録1 虹の授業をする人へ
付録2 虹の入試問題選
虹と光の科学史年表
文献案内
あとがき
西條敏美(さいじょうとしみ)
1950年、徳島県生まれ。徳島科学史研究会会長、日本科学史学会四国支部長。物理教師として、徳島県の公立高校に35年間勤める。2011年退職。山間の村で育った幼少時代、たびたび虹に出会い、虹の根元はどうなっているのか興味をもつ。大人になってからは虹に気づかない日々を送っていたが、ある朝、ひときわ美しい虹に出会って心を奪われる。以来、虹に魅了され、科学から文化にわたるまで、広く虹を研究している。著書に、『虹』『測り方の科学史』『単位の成り立ち』(以上、恒星社厚生閣)、『理科教育と科学史』(大学教育出版)、『物理定数とは何か』(講談社ブルーバックス)、『若き命の墓標』(花伝社)など多数。