田中幸(たなかみゆき)
岐阜県生まれ。物理教育学会会員。私立女子中高一貫校理科教諭。
結城千代子とのコンビで15年にわたり、子どもたちが口にする「ふしぎ」を集め、それに答えていく「ふしぎしんぶん」を毎月発行する活動を続け、運営して いるHP「ママとサイエンス」でも公開している。結城との共著に『天気のなぞ』(絵本塾出版)、『新しい科学の話』(東京書籍)、『くっつくふしぎ』(福 音館書店)など、共訳書に『家族で楽しむ科学のシリーズ』(東京書籍)などがある。
発行日 | 2015年01月発行 |
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判型 | 四六判変型・上製 |
頁数 | 112ページ |
価格 | 本体1500円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0776-8 |
Cコード | C0040 |
現象を条理で解き明かす物理学者コンビと、不条理の世界を描く漫画家が、
想像しかできない「科学の不思議」な世界を、想像以上の世界観で描き出す。
手元に置きたくなる、世界を描くあたらしい科学入門「ワンダー・ラボラトリ」の第三弾。
動こうとすると現れる、かけがえのない邪魔もの「摩擦」。
マッチで火がつくのも、バイオリンが鳴るのも、
人が歩けるのも、すべて摩擦のしわざ。
日常のいろんな場面に顔を出すこの現象に、
多くの人々が魅せられてきた。
その解明は科学の歴史そのもの。
あると困る、なくても困る、謎めく力「摩擦」の探求。
充実のコラムに豊富な「はみだし豆知識」、
本書内容を教科書ではいつ習うかのリスト、
おすすめ関連図書も収録。
Ⅰ ものとものとがこすれると——あれもこれも、摩擦のしわざ
摩擦と火との長く深い関係
こすると熱くなるのは、なぜ?——原子や分子の世界から
「熱素」のせい?
摩擦熱の驚くべき利用法
バイオリンとギーギーゼミ
ワイングラスの妙なる調べ
古代人も引きつけた静電気
原子はスイカ型? それとも土星型?
原子の摩擦で電気が生まれる
電気を逃がしてパチパチ予防
摩耗がつくる海ガラス
玉磨かざれば光なし
歯磨き粉の歴史
こすれて削れて字が書ける
削れない筆記具、ボールペン
字を消すにも摩擦が必要
分子で「設計」する潤滑剤
[コラム]
流れつづける電気——カエルを救った電池の発明
役にも立つ静電気
Ⅱ 邪魔ものに魅せられて——摩擦力の追究
最初の研究者、レオナルド・ダ・ヴィンチ
動きだすまでと動いてから——アモントンとクーロン
「凹凸説」対「凝着説」論争ーークーロンとデザギュリエ
紅茶カップの科学——レイリー卿の発見
雨の日のスリップ——寺田寅彦の研究
滑車にも布地にも摩擦がある——オイラーのベルト理論
摩擦力を小さくするくふう——あの巨石を動かせ!
ころがして運ぶ、車輪の発明
摩擦力を大きくするくふう——すべり止めの役割
摩擦力がないと止まれない——ブレーキの活躍
宇宙の旅は、とってもスムーズ
すべらないヤモリがすべった話
歩くように進むヘビ
重心は摩擦でわかる
[コラム]
スキーやスケートがすべるのは?
バナナの皮は、なぜすべる?
運動エネルギーから熱エネルギーへ
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教科書ではいつ習う?
おすすめ関連図書