仲道祐樹(なかみちゆうき)
刑法学者。1980年生まれ。早稲田大学社会科学部准教授。研究テーマは、刑法の基礎原理。そもそも犯罪行為とはなにかに取り組み続け、最近は刑罰を使うことのできる理論的限界にも関心を持っている。著書に『行為概念の再定位』(成文堂、2013年)など。
発行日 | 2014年04月発行 |
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判型 | A5判・上製 |
頁数 | 136ページ |
価格 | 本体2000円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0769-0 |
Cコード | C8032 |
法律は「なるほどパワー」=説得力の比べっこで使うもの──
架空の国・サル山共和国で起こる事件や出来事を通し、
法律の考え方と解釈を気鋭の法学者たちがわかりやすく解説。
既存の法律書や入門書と異なり、実際の条文を使いながら条文の先にある意義を知り、
「法律の考え方」「法律リテラシー」を育むことを目的とした、
小学校高学年から大人までのための、これまでになかった新しい法律の本。
刑法編では「刑罰の決めかた」、「共同正犯」(刑法60条)、
「罪刑法定主義」、「正当防衛」(刑法36条)を中心に
多数の条文を取り上げた物語を収録。
刑法がどのような根拠と理由に基づいて運用され、
何のためにそのようなルールとなっているかを解き明かします。
憲法編と2冊同時刊行。本文2色刷。
第1話◎走って走ってケガさせて──どうして人に罰を与えるんだろう?
・爆走するウサギとサル
・暴走ゴリラとケガするおじいさん
・ゴリラの刑はどうやって決める?
【解説】刑法は取り扱い注意の法律
[なるほどパワー比べ]刑を重くする側、軽くする側
第2話◎ゲーム機をとりもどせ!──とちゅうでやめても共犯者なの?
・いっしょにやったら共犯だ
・とちゅうでやめても共犯か?
・共犯はなぜ「いっしょに処罰される」のか
【解説】処罰するには根拠が必要
[なるほどパワー比べ]レーマン先生、ヤスヒコ、ジュリア弁護士の主張
第3話◎校則に書いてないのに怒られた──法律に書いてないけど処罰する、は許される?
・書いてないことはやっていい?(1) 学校の決まりの場合
・書いてないことはやっていい?(2) 刑法の場合
・刑法と学校の決まりの違い 刑罰のつらさ
【解説】罪刑法定主義となるほどパワー
[なるほどパワー比べ]罪刑法定主義ができるまで
第4話◎あいつが先に手を出したのに!──正当防衛のしくみと限界
・どこまでやったら、やりすぎ?
・サルとゴリラの大ゲンカ
・正当防衛は、なぜ許されてる?
【解説】無罪にする方向の条文
[なるほどパワー比べ]マキシムの主張、ジュリア弁護士の主張