谷俊治(たにしゅんじ)
一九三〇年、神奈川県に生まれる。東京医科歯科大学卒業。医学博士。現在、東京学芸大学教授。日本言語障害児教育研究会副会長。 [著書] 『目で見る障害児教育』(学宛社)、『愛して育てる-こころ・からだ・ことばの相談室』(有斐閣新書)、『ことばの発達と指導』(全国心身障害児福祉財団)、『難聴』(日本文化科学社)
発行日 | 1986年06月発行 |
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判型 | AB判・上製 |
頁数 | 208ページ |
価格 | 本体3500円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0800-0 |
Cコード | C0037 |
障害によってことばが育ちにくくなっている子どもたちとのことばあそびで、子どもの内面世界は大きく変化し、ことばへの意欲が生まれる。ことば遊びの言語指導における役割と意味を解説し、イラスト入りで例示。波瀬満子さんによるビデオ全6巻もあります。
[I]ことばが生まれるまで
ことばが生まれるまで-谷川俊太郎
◎ことばあそびへたどりつくまで◎日本語の音のおもしろさを肉体化する
◎人類の最初の最初のことばは詩であった◎ことばの発生の原点に立ちかえる
◎教える側の固定観念をこわしていく◎ともにたわむれて生きる
◎ことばによって混沌から秩序へ◎無意識は、意味の世界を問いかえす
◎声をだすことで次元を変える◎あそびは障害、健常の区別をなくす
◎人と人の心と体が溶けあうとき…後記
心とからだをつなぐことばあそび-波瀬満子
◎はじめに 新しい「ことばあそびの」スタート ◎第一段階 「あ」の詩から「ふゥのうた」まで
◎第二段階 「グーパー」から「チュとキュ」まで ◎第三段階 「て」から「ばァのうた」まで
◎おわりに 子どもたちが最大の協力者
[II]-こうやって遊んだら?-波瀬満子+小川原芳枝+佐藤真理子
・こえのうた ◎あI◎あII◎う◎お◎
・いきのうた ◎はのうた◎ふゥのうた◎
・くちびるのうた ◎ばのうた◎まま◎おまじない◎
・からだうた ◎ふるえるうた◎ころころりん◎とんとんとん◎ユーラユラ◎チュとキュ◎
・よびかけうた ◎て◎おへんじ◎ばァのうた◎
・あそびうた ◎モグモグ◎たべてのんででるうた◎ポイ◎グーパー◎きかい◎かみ◎
[III]-子どもたちと遊ぶ
だれもがことばのタネをもっている-小川原芳枝
◎ことばとあそぼう!◎はじめて声がでた!◎だれもがことばのタネをもっている
◎からだの動きとことばが結びつく◎子どもの表現をじっくり待つ
◎ことばあそびがコミュニケーションをつくる
息からから声へ、声からことばへ-佐藤真理子
◎声の渦がことばを育てる◎のびやかな声が生まれるとき◎リズムや抑揚に乗って楽しむ
◎呼吸を自由にするために
◎舌やくちびるの動きをなめらかに◎豊かな表現力を身につける
◎からだの動きがしぜんに生まれる◎寝たきりの子もことばあそびを楽しむ
ことばあそびによる言語指導の意義-谷俊治
◎なぜ、なんのために行われたのか◎どのような方法でおこなわれたのか
◎どのようにすすめられたのか◎どのようなことが考察されるのか
[IV]-こう考える
ことばが生まれるとき-谷俊治
◎産声からことばへ◎発声から発語へ
あとがきにかえて-波瀬満子
20代・女性
10ヶ月の我が子に「……じめんのあ、おそらのあ……」と言って語りかけると大喜び。「あ」のゆかいな繰り返しが面白いのでしょうか。私の顔や声を真正面からみつめて自分も同じようにまねしているのがわかりました。障害をもつお子さんが喜ぶのがわかりました。
女性
障害児の言葉の土台づくりに、とても役立ちました。動きやスキンシップがあってたのしく使わせてもらっています。