「現代」の授業を考える会(げんだいのじゅぎょうをかんがえるかい)
1994年に発足。全国「ひと」塾での分科会「現代社会の授業を考える」が前身。年6回ほどの研究会で、「現代」の姿を子どもとともに見つける授業を追求している(世話人・千葉保)。首都圏の小・中・高校の教師、学生、市民、研究者といった多様なメンバーが実践をもちよる。年に1度の海外ツアーや長野県佐久の山林での間伐支援などをつうじて、実地に即してともに学ぶ活動もおこなう。
発行日 | 2011年11月発行 |
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判型 | A5判・並製 |
頁数 | 160ページ |
価格 | 本体1800円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0749-2 |
Cコード | C0037 |
電気も選んで買える? 夏でも4℃を保つ非電化冷蔵庫って? さまざまな角度からエネルギーについて考え、放射線とは何かをきちんと知って身を守る。原発事故後の世界を生きるために、子どもとともに学び、考える授業を提案。
はじめに――「わからないことはわからない」と言えるわたしたちに
〈1部〉未来をつくるエネルギーの授業
「エネルギー・ショッピング」の授業(千葉 保 國學院大学講師)
立川競輪場、電気代大幅カットの手法とは?/安い電気は、どうやってつくられる?/電力会社10社の地域独占体制/安い電気は、だれでも買える?/地域を元気にする太陽光発電/あなたの地域では、どんなことができる?/エネルギーの地産地消へ
授業「東京のエネルギーを探そう!」(平林麻美 東京都小学校教諭)
手回し発電機で電気をつくろう!/みんなが使う電気は、どうやってつくられる?/東京には、どんな発電所がある?/足りない電気は、どうする?/発電に使うエネルギー/なくなるエネルギーと、なくならないエネルギー/たくさん使っているのは、どっちのエネルギー?/自然から電気をとりだすいろんな方法/学校で発電できるかな?/自分たちでつくる近未来エネルギー
発明家の特別授業「非電化生活のススメ――愉しく自給するホドホドの熱とエネルギー」(藤村靖之 非電化工房主宰)
五感で愉しむコーヒー焙煎器/羊と交換でつくる「星空の冷蔵庫」/あまりに安く便利な、石油エネルギー/ホドホドの熱を生かした非電化冷暖房/ホドホドの快適さへ――非電化自動換気装置/「いつも一定の温度・湿度」はおそろしい/マインドセットを変える/電化と非電化、愉しいほうを選ぶ/愉快な非電化へ動きだすための5点セット/愉快な非電化製品ラインナップ
コラム 授業づくりのための基礎知識
■電力自由化を考える
託送制度のしくみ/PPSに課せられるペナルティ料金/規制緩和の動きは止まった?/電気を選んで買う方法/ほかの国ではどうなってるの?(ドイツの場合/アメリカの場合)
■電気の地産地消を考える
日本から流出するエネルギー費用/「エネルギー生産県」はもうかる?/メガソーラーはだれのもの?/地産地消が地域を変える
■エネルギーとは何か
エネルギーの定義/電気はエネルギーの一部/増えつづける電気の消費
■コージェネレーションの時代へ
コージェネレーションって、なに?/家庭で自家発電?/停電知らずの六本木ヒルズも
■さまざまな発電方法、今後の課題
持続可能性と地球環境への影響/地域の環境と経済への影響/原子力のコストは?/再生可能エネルギーのコストは?/需要を調整する
■最大電力量とは何か
「電力不足」とは何だったのか/ピークをどうしのぐ?
〈2部〉放射線を知る・防ぐ・考える授業
授業「放射線って、なんだろう?」(平林浩 出前教師)
はじめに/1―放射線とはなにか/2―放射線と原子力発電所/3―放射線は、からだにどんな影響をあたえるのか/4―放射線は、地球上どこにでもある/5―放射線の強さ・量を測る単位/6―いろいろな場所の放射線を測る/7―どこまでが安全で、どこまでが危険か/おわりに
実践記録「福島に生きる子どもたち」(坂内智之 福島県郡山市小学校教諭)
はじめに/震災の日/原発事故直後のまち/「被災地域学習支援プロジェクト」/放射線から自分を守るための授業/始業式の日、そして授業開きの日/テキスト「みんなで防ごうほうしゃせん」と学びあいの授業/つぎのステップ、「ゆうだい君への手紙」/今後の放射線学習/最後に
放射性汚染物拡散・教師にできること(千葉 保)
1―子どもたちの放射線被曝/2―子どもを守る親たちの動き/3―学校の現実/4―教師にできること
コラム 学校でできる放射線対策
■食品、給食、どう考える?
広がる放射能汚染/暫定基準値って、なに?/低線量被曝の影響