粟津美穂(あわづみほ)
1956年、東京都生まれ。78年、渡米。カリフォルニア州立ポリテクニック大学卒業後、時事通信社ロサンゼルス支局の記者となる。その後、フリーラ…続きを読む
発行日 | 2006年12月発行 |
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判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 320ページ |
価格 | 本体 2100円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0722-5 |
Cコード | C0036 |
貧困、暴力、養育困難。親元から救いだされ、虐待を生き延びた子どもたち。彼らが成長の過程で遭遇する、決別と出会いと困難を描き、米国・子ども虐待最前線の現場から、日本にいま必要なものは何かを問い返す。
序──虐待から逃れた子どもたちと
第一章──アンジェラ
出会い/失踪から戻って/過去の軌跡/一月十七日の夜/一枚の絵/祖母の家/難題/期待と失望/行方不明
アメリカの子ども虐待の現状/児童保護システム ひとりの子どもがフォスターチャイルドになるまで/アウトオブホーム・プレースメント/里親という仕事/児童保護ソーシャルワーカーの仕事
第二章──ジェシー
ジェットブルー/七歳までのこと/アディクション/置き去り/LAへ/逃走と悪化/リカバリーセンター/リブアウト/回避/十八歳間近/ディープブルー
フォスターユースはいま/児童保護制度と少年司法制度/アメリカ連邦フォスターケア政策と予算の歴史/危機のフォスターケア
第三章──ヴェロニカとラクウェル
写真のなかのふたり/事の発端/ホセとソニア/失踪/双子帰還/マタニティーホーム/ラフィー誕生/ラクウェルの移動/ヴェロニカの苦悩/急展開/十六歳の父親/双子反乱/養育権/トニーとラクウェル/ナナ誕生/自立へのカウントダウン/十八歳の現実/最後の仕事/五回目のクリスマス
ドメスティック・バイオレンスと子ども虐待/アメリカのティーンマザーたち/母子家庭政策と子どもの貧困/監獄の母たち
第四章───ルーカス
暗い場所の記憶/フォスターダッド/脱走と暴動/精神科病棟/セントラル・カリフォルニア/システムエラー/未来ひとりぼっち
フォスターユースとメンタルヘルス/子ども虐待防止と児童福祉改革/パーマネンシー/破滅と再生 終章にかえて
解説───才村 純