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ニュースがまちがった日
高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年

ニュースがまちがった日 高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年

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ニュースがまちがった日
高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年

発行日 2004年06月発行
判型 四六判・並製
頁数 264ページ
価格 本体1800円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0714-0
Cコード C0036

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内容

高校生がメディアを逆取材インタビュー! 冤罪報道はなぜ起こったか。学校そばで起きた事件に疑問を抱いた高校生たちが報道記者の証言集を制作、過熱する事件報道の原点を読み解く渾身のドキュメント。

目次

プロローグ 松本サリン事件発生
学校の目と鼻の先で事件は起こった
農薬調合ミス? 被疑者不詳の家宅捜索

第1章 もうひとつの学校──放送部、ニュースを追う

1 朝から晩まで協働クラブ
放送部は「もうひとつの学校」
先生、もしこの報道がまちがっていたら?
警察がまちがうと、メディアもまちがう?
今度はニュースがオウム一色に
2 部活は仕事場
地下鉄サリン事件で急転、いっせいに謝罪放送
表現作品は、つくって壊して再構築する
部活最初のハードルは親の反対
放送部の「甲子園」、NHK杯コンテスト
3 テレビ報道を追え
報道被害の当事者・河野義行さんを取材
高校生の実感ときり結ぶ取材の切り口はどこに?
新聞とテレビ、どちらを追うか
マスメディアができない取材をしよう

第2章 ニュースの裏側──現場記者を取材する

1 現場でなにが起こっていたか
取材しても、されることはないマスメディア
発生当夜から翌朝第一報まで
東京発で「薬品調合ミス」情報が入る
警察情報とキー局とのはざまで
現場記者には見えない全体像
河野さんから託されたメッセージ
真犯人があがるまで訂正できない?
マスメディアの「弱さ」にふれて
2 「テレビは何を伝えたか」音声作品づくり
「出口がない」と語った記者
閲覧可能期間三か月をめぐる攻防
取材テープをどんな視点で編集するか
報道部長のきびしい批評
3 作品の波紋と実り
NHK杯全国高校放送コンテスト決勝大会
この作品は放送できない?
地元市民とマスメディアとの温度差
報道に「絶対」はない

第3章 メディアの特性を知る──ビデオ証言集づくり
1 報道部長に聞く
批判だけでないビデオ証言集を
なぜ、謝罪したのですか
再発防止策はあるのですか
2 メイキング・ザ・ビデオ証言集
メンバーの討議はつづく
報道被害を受けた人は、どこに言えばいい?
報道映像を保存して、だれもが閲覧できるなら
ラストコメント、さあ、どうする?
「相手を知る」ことで視聴者が変わる
信越放送を再取材する
3 マスメディアの「弱さ」
放送部のNHK取材をTBSが取材?
資料集制作に向けてNHK長野へ
「農薬調合ミス」情報は、なぜでたか
現場記者からの情報を、デスクはどう判断するか
批判ではなく、弱さを描いた

第4章 メディア・リテラシーの旅──批判を越えて
1 消えない壁
「ニュースの森」でビデオ証言集が放送される
突然の電話、あわてる記者からの要求は……
マスメディアは他人の批判は得意だが
2 授業もメディアだ
部員のきみたちが授業をすればいい
「教える」ことのプレッシャーがのしかかる
1時間め 初めての先生役に顔面ソーハク、脂汗
2時間め 映像実験を交えた授業に教室が沸く
授業って、双方向メディアだ
3 「受け手と送り手」再考
文化祭で一般の人を対象に公開授業
伝えれば伝えるほど拡大するギャップ
受け手と送り手が融合する仕掛けを探る
4 「記者の一日」授業づくり
記者の一日を密着取材して、授業をつくろう
もめる職員会、「超法規的に……」
プロの取材スタッフにはロケ弁なし?
テレビも放送部も同じ手順を追っている
批判病──ニュースに「演出」はご法度か
5 関係性のメディア・リテラシー
授業はテレビ局の人をゲストに迎えて
受け手と送り手がリアルタイムで作用しあう関係
メディアが伝えるものは、構成された現実
メディア・リテラシーはコミュニケーションを豊かにする道具
松本美須々ヶ丘高校を去る

エピローグ 十年めの放送部・保護者会
保護者も元部員仲間のように
教祖一審判決──この十年、マスメディアは変われたか
地域住民を戸別訪問した部員たち
再会を約して

年表 松本サリン事件と報道の経過

著者紹介

林直哉(はやしなおや)

1957年、長野県生まれ。高校教師。長男出産時のトラブルから、「ふつう」「みんな」という言葉に疑問をもつ。以後、放送部活動に関わり、だれでも知っているが簡単に答えられないテーマを生徒とともに掘り起こし、作品化してきた。学校づくり、コミュニティづくりの基盤として、生徒会と放送部の可能性の広がりに力を注ぐ。演劇「NEWS NEWS」「長野版オペラ魔笛」などステージ表現のプロデュースもおこなう。 2000年から東京大学大学院情報学環に設置されたメル・プロジェクトにリーダーのひとりとして参加、03年度より同機関に派遣され、メディア教育の可能性を研究している。長野メディア・リテラシー研究会事務局長。梓川高校教諭。 共著に『表現者の自由──映像の力と責任をめぐる対話』(日放労編、現代人文社)、 『メディア・プラクティス』(水越伸・吉見俊哉編、せりか書房)、『報道は何を学んだのか』(近著、岩波ブックレット)。

推薦のことば・読者の声

60代・女性

『ニュースがまちがった日』読者の声

ひとつの疑問を徹底して調べ、討論していく中で、1人・1人が育っていく、まさに教育・共育の源を感じる本でした。すべての学校(特に高校以上)にこの視点があれば、今の学校教育の閉塞感が少なからず解消されるのではと思います。今冬、アメリカで生まれ育った大学生と高校生の親類の娘が我が家に逗留。事件がおこると現場から中継で詳細を報告する日本のマスメディア(特にワイドショーなど)のニュースをみて、非常に驚いていました。子どものうちから、こういう場面を当たり前として擦り込まれる影響が心配という意見をつきつけられ、本当に考えさせられました。

50代・女性

『ニュースがまちがった日』読者の声

メディアリテラシーについて知ることができました。マスコミに関わる人の良心と総合的な判断力を期待したいのですが、政治的な圧力や受けねらいで操作される危険性も高いと思いました。それにしても高校生がここまでやるとは! 指導の先生の情熱と力量に圧倒されました。

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