斎藤孝(さいとうたかし)
1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部助教授。教職課程で中・高教員を養成。専攻は教育学、身体論。 著書多数。『宮沢賢治という身体』(宮沢賢治賞奨励賞)、『教師=身体という技術』『「ムカツク」構造』(以上、世織書房)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)、『子どもたちはなぜキレるのか』(ちくま新書)、『スラムダンクを読み返せ ! ! 』(パラダイム)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)ほか。
発行日 | 2001年09月発行 |
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判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 208ページ |
価格 | 本体 2000円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0662-4 |
Cコード | C0036 |
自然体とは技である。自らの軸はしっかり保ちながら、外へと開かれた柔軟な心身の構え。それは、意識しなければ身につかない、しかし、だれでも獲得できる〈技〉である。内なる中心感覚と、他者との距離感覚を習得するために。
プロローグ 「自然体」から「レスポンスする身体」へ
……失われた自然体を「技化」でとり戻す
第1部 自然体のつくり方
1 自然体とはどういうものか
……上半身は柔らかく、下半身は力強く/リラックスしながらも集中した身心の状態
2 足腰のつくり方……
へっぴり腰か、 「腰が決まっている」か/一流のサッカー選手はなぜ転ばないか
3 足裏感覚
……土踏まず–「踏んばれる」足裏のキーポイント/緊張と弛緩をコントロールする
4 上半身のつくり方
……力まず肩の力を抜く「上虚」づくり/二人で行なう肩胛骨マッサージ/みずおち感覚–緊張をゆるめる技
5 肚の感覚
……懐を深くする–「受ける」ゆとりを生む技/肚を据える–動揺しない重心感覚/息を吐いて集中する技
6 方向性をもった感覚
……石になる、水になる/中心軸がブレない歩き方/自分のからだの緊張に気づく技
第2部 レスポンスする身体
1 コミュニケーションできる身体とは
……他者との関係をつくる距離感覚/公共的な場での身体技法/レスポンス・アビリティ–応答責任能力
2 息を合わせる
……相手の呼吸をはかって息を合わせる/能動・受動を自在に反転させる/相手に「沿いつつずらす」技
3 中心軸をやりとりする
……たがいの中心軸(正中線)をとりあう/流す感覚、ねばる感覚/まかせる感覚、背負う感覚
4 欧米流のパブリックな身体技法
……アイコンタクトを技化する/間合いと息づかいを聴く/場の雰囲気を感じとって動く
40代・男性
非常に面白く読みました。自然体、中心軸の考え方が具体的で、“技”として得られる事に喜びを感じております。
30代・男性
理学療法士として勉強している「認知運動療法」に非常に参考になりました。年寄りに比して若い人は身体感覚が落ちる。まさに運動障害をもった患者も同様で身体感覚や内部モデルが低下しています。認知運動療法はこれらのことに対してアプローチを加える新しいリハビリのパラダイムです。本当に参考になりました。
20代・女性
自然体とは何かということから作り方まで大変興味深い内容でとても勉強になりました。四股をふむという動作など腰を深く落とす動作は本当に難しく、よさこい踊りを踊るときにも本に書いてあった要領を思い出しながら踊っていこうと思っています。健康的な生活を送る上で体のバランスがいかに大切かと思うようになった矢先、この本と出会えて研究されている齋藤先生に感銘を受けました。