今泉博(いまいずみひろし)
1947年、北海道函館市に生まれる。1971年、東京都の教員になる。現在、東京都小学校教諭。 子どもたちがいきいき学ぶ、発見のある授業を創造している。 ◎おもな著書 『どの子も発言したくなる授業』『子どもの瞳が輝く発見のある授業』『崩壊クラスの再建』(いずれも学陽書房)。 編著書には、『「教え」から「学び」への授業づくり3・国語』『「教え」から「学び」への授業づくり8・人権教育をつくる』いずれも大月書店)など
発行日 | 1998年05月発行 |
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判型 | 四六判・並製 |
頁数 | 200ページ |
価格 | 本体 1800円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0642-6 |
Cコード | C0036 |
学級を襲った子どもたちの〈荒れ〉。身体に潜んでいた怒り・苛立ちを噴出させ、仲間も自分をも傷つけていく。子どもの内面の悲しみにより添いながら、その立ちなおりに希望をかけ、6年生を担任した2人の教師の苦闘の記録。
プロローグ◎子どもたちは、なぜ“キレる”のか–今泉博
「いい子」競争が生んだ“新しい荒れ”/ストレスを解消する、ふざけ、無気力、攻撃性/
慢性的な睡眠不足、生活スタイルが生むイライラ/小学生の私立受験による“新しい荒れ”
第1部◎学級解体の危機を超えて–山崎隆夫
1 むかつきキレる子どもたち
……“荒れた”六年生を担任する
傷つきやすい子どもの“攻撃性”/机が倒され、蹴りが入れられたけれど/
子どもはむかつきに必死に耐えている/授業の周辺でていねいにつきあう
2 クラス解体の危機を超えて
……“荒れ”ふたたび、さらに深く
授業が子どもの癒しになるように/死につながるスリルな遊び/なにもかもやる気がしない/
ぼくも謝ります、先生も謝ってほしい/クラス解体の危機をのり超えて
3 私がわたしであることを求めて
……勉強することの悲しみ・怒り、そして沈黙
受験勉強で“問い”を失う子たち/苦悩のなかで希望のきざし/体育でゆっくりからだを開いていく/
傷ついてもいい、私はわたしでありたい/大人の変革なしには子どもは育たない
第2部◎いじめ・暴力・仲間はずしを超えて–今泉博
1“荒れる”小学高学年とどうとり組むか
……学年の終わりの日を待ちこがれて
“荒れ”ていて授業が成立しない/いじめ・暴力・暴言が横行する/態度やかたちは二のつぎにして/
2“荒れ”を超える学級紙上討論
……紙上討論に勇気ある意見をつのる
いじめられた子の声にひろがる共感/いじめた子が自分の行為を見つめなおす/
「修学旅行がこわい」と書いた子をめぐって/“荒れ”ているほど変革のへの願いはつよい
3 授業が子どもの心とからだを癒す
……身体的なふれあいをつよく求めている
間違いは真理へのプロセス、正解主義の克服へ/黒丸ひとつはなにを表現しているか–みんなで読みとる詩の世界/
円錐の体積はどうすれば求められるか–予想し実験する算数/大人になっても忘れられない、楽しい学び/
“新しい荒れ”が学校に求めているものはなにか