斎藤茂男(さいとうしげお)
1928年生まれ。フリーのジャーナリスト。元・共同通信記者。 『妻たちの思秋期』など一連の「日本の幸福シリーズ」ほか、ルポルタージュや連載記事で数々の賞を受ける。 ◎おもな著書 『日本の情景』(岩波書店)、『教育ってなんだ(上・下)』『父よ母よ!(上・下)』(ともに太郎次郎社)『斎藤茂男取材ノート1~5』(築地書館)など
発行日 | 1993年12月発行 |
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判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 232ページ |
価格 | 本体 2000円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0562-7 |
Cコード | C0036 |
「殺さないでくれ!」と叫ぶ息子をめった刺しにした両親。その減刑を嘆願する85000人余の署名。なぜ世論は子殺しに同情的なのか? 92年におきた高校教師の息子殺害事件。関係者、各界からの証言で事件の本質に迫る。
息子殺しを演じさせたのはだれか–斎藤茂男
【1景】八万五千人の共鳴
問題提起・親の子殺しは正当化されるか–友田陽子
異端排除への加担 嘆願署名運動の実情とその恐ろしさ–野辺明子
わたしはこう想う 友田レポートを読んで
自分の子育てを問われた親たち 市民学習会からのレポート–平野和弘
私が“あの母親”だったら 正しい子育てってなに?–家永史子
【2景】彼はこんな若者だった
“ぼくは仮面をかぶせられていた”友人たちの描くJUN–藤井誠二
恵まれた環境のなかで葬られた自立 “罪はすべておまえにある”の論理–山崎哲
【3景】下手人はだれか
子殺しに共鳴する論理 判決の“精神医学的分析”を分析する–平野和弘
血の海のなかの黙示録 親を死刑執行人にさせるもの–斎藤茂男
【4景】現代家族の病理
模範的核家族の虚偽と崩壊 生産力主義の旧世代をどう超えるか–関曠野
権力的統制と化した日本の子育て マクロ・ポリティックスと家庭・学校–竹内常一
空白のセリフ あとがきにかえて–斎藤茂男