67歳・男性(島根)
『ヒロのちつじょ』(10)
「よく書いて(描いて)くれたなァ」
ダウン症の子とその親(主として母親。親父たちはあまり参加したがらなかった)、そしてとりまく人びと(保育士、保健師、教員、そして私のようなこれといってつながりはないけれど縁あってつながった地域の住民)、そんな構成の会の事務局をしていた時期がありました。いまでも当時の子どもだった、そしていまはオッサンやオバサンになった彼(女)らに出会うと、ちゃんと憶えていてくれて、親しく名前を呼んでくれます。だから、そうそう、あ、彼と同じだ、などと思いながら、淡々と書かれたかに見える文や、シンプルでいて確かな絵をこちらもフツーに読んでいました。
しかし、なによりよかったのは、ダウン症の「障害者」の妹がこの本を世に出したということ。兄弟姉妹たちがどんな思いでその家族たちを見て、感じているか。そこをこのように表されたことに(こんなに軽く書いているのに)重い意味があると感じます。私の姪も上が高次脳機能障害。その妹もこんな思いであったろうといろいろ想像してしまいました。