■おもな目次
はじめに──「わからないことはわからない」と言えるわたしたちに 〈1部〉未来をつくるエネルギーの授業 「エネルギー・ショッピング」の授業(千葉 保 國學院大学講師) 立川競輪場、電気代大幅カットの手法とは?/安い電気は、どうやってつくられる?/電力会社10社の地域独占体制/安い電気は、だれでも買える?/地域を元気にする太陽光発電/あなたの地域では、どんなことができる?/エネルギーの地産地消へ 授業「東京のエネルギーを探そう!」(平林麻美 東京都小学校教諭) 手回し発電機で電気をつくろう!/みんなが使う電気は、どうやってつくられる?/東京には、どんな発電所がある?/足りない電気は、どうする?/発電に使うエネルギー/なくなるエネルギーと、なくならないエネルギー/たくさん使っているのは、どっちのエネルギー?/自然から電気をとりだすいろんな方法/学校で発電できるかな?/自分たちでつくる近未来エネルギー 発明家の特別授業「非電化生活のススメ──愉しく自給するホドホドの熱とエネルギー」(藤村靖之 非電化工房主宰) 五感で愉しむコーヒー焙煎器/羊と交換でつくる「星空の冷蔵庫」/あまりに安く便利な、石油エネルギー/ホドホドの熱を生かした非電化冷暖房/ホドホドの快適さへ──非電化自動換気装置/「いつも一定の温度・湿度」はおそろしい/マインドセットを変える/電化と非電化、愉しいほうを選ぶ/愉快な非電化へ動きだすための5点セット/愉快な非電化製品ラインナップ 〈2部〉放射線を知る・防ぐ・考える授業 授業「放射線って、なんだろう?」(平林浩 出前教師) はじめに/1─放射線とはなにか/2─放射線と原子力発電所/3─放射線は、からだにどんな影響をあたえるのか/4─放射線は、地球上どこにでもある/5─放射線の強さ・量を測る単位/6─いろいろな場所の放射線を測る/7?どこまでが安全で、どこまでが危険か/おわりに 実践記録「福島に生きる子どもたち」(坂内智之 福島県郡山市小学校教諭) はじめに/震災の日/原発事故直後のまち/「被災地域学習支援プロジェクト」/放射線から自分を守るための授業/始業式の日、そして授業開きの日/テキスト「みんなで防ごうほうしゃせん」と学びあいの授業/つぎのステップ、「ゆうだい君への手紙」/今後の放射線学習/最後に 放射性汚染物拡散・教師にできること(千葉 保) 1─子どもたちの放射線被曝/2─子どもを守る親たちの動き/3─学校の現実/4─教師にできること 授業づくりのための基礎知識 ■電力自由化を考える 託送制度のしくみ/PPSに課せられるペナルティ料金/規制緩和の動きは止まった?/電気を選んで買う方法/ほかの国ではどうなってるの?(ドイツの場合/アメリカの場合) ■電気の地産地消を考える 日本から流出するエネルギー費用/「エネルギー生産県」はもうかる?/メガソーラーはだれのもの?/地産地消が地域を変える ■エネルギーとは何か エネルギーの定義/電気はエネルギーの一部/増えつづける電気の消費 ■コージェネレーションの時代へ コージェネレーションって、なに?/家庭で自家発電?/停電知らずの六本木ヒルズも ■さまざまな発電方法、今後の課題 持続可能性と地球環境への影響/地域の環境と経済への影響/原子力のコストは?/再生可能エネルギーのコストは?/需要を調整する ■最大電力量とは何か 「電力不足」とは何だったのか/ピークをどうしのぐ? 学校でできる放射線対策 ■食品、給食、どう考える? 広がる放射能汚染/暫定基準値って、なに?/低線量被曝の影響
■著者紹介
現代の授業を考える会 1994年に発足。全国「ひと」塾での分科会「現代社会の授業を考える」が前身。年6回ほどの研究会で、「現代」の姿を子どもとともに見つける授業を追求している(世話人・千葉保)。首都圏の小・中・高校の教師、学生、市民、研究者といった多様なメンバーが実践をもちよる。年に1度の海外ツアーや長野県佐久の山林での間伐支援などをつうじて、実地に即してともに学ぶ活動もおこなう。
平林浩 1934年、長野県生まれ。1988年まで小学校教諭。退職後は「出前教師」として、地域の子どもやおとなに科学のたのしさを伝えている。「仮説実験授業会」「障害者の教育権を実現する会」会員。著書に『授業・科学をたのしむ』『しのぶちゃん日記』(ともに小社刊)、『イメージと科学教育』(津田道夫との共著、績文堂出版)、『仮説実験授業の魅力』(ひまわり授業の会)など。
千葉保 1945年、宮城県生まれ。國學院大学講師。神奈川県鎌倉市の小学校教員をへて、2006年まで神奈川県三浦市の小学校校長をつとめる。「使い捨てカメラ」「ハンバーガー」「カード破産」など、身近な題材を社会の問題へとつなぐ授業を数多くつくる。著書に『お金で泣かないための本』『はじまりをたどる「歴史」の授業』『食からみえる「現代」の授業』『コンビニ弁当16万キロの旅』など(以上、小社刊)。
平林麻美 1964年、東京都生まれ。東京都・小学校教諭。大森・羽田・葛西沖のノリ漁の歴史、多摩川・目黒川・荒川の歴史や自然、河口近くの水再生センターでの水処理の方法、東京大空襲の被害などについて、現場や当事者の話を直接聞きながら、子どもとともに学ぶ授業をつくる。東日本大震災直後には、地震や津波、液状化のしくみを知り、避難生活について考える授業をいち早く開始した。
坂内智之 1968年、福島県生まれ。福島県・小学校教諭。「ひとりも見捨てられない授業」を合い言葉に、子どもたちがひとつのチームとして学びあう授業をつくる。最近は、日本全国や世界各地の教室と教室とをインターネットで結び、学習方法の共有化や子どもの側からの授業改革をめざす「子ども未来プロジェクト」を進めている。
藤村靖之 1944年、満州生まれ。非電化工房主宰。日本大学工学部教授。コマツ熱工学研究室長などをへて、非電化工房を設立。非電化製品の発明・開発をとおして、エネルギーに依存しすぎない生活を提唱する。3.11後は、工房のある栃木県那須地域の住民に呼びかけてプロジェクトを立ち上げ、住民みずからによる放射能測定に取り組む。著書に『愉しい非電化』(洋泉社)、『月3万円ビジネス』(晶文社)、『テクテクノロジー革命』(辻信一との共著、大月書店)など。
市民エネルギー研究所 (「授業づくりのための基礎知識」「学校でできる放射線対策」監修・編) 1978年に設立されたNGO。市民の立場から、反原発、再生可能エネルギーの推進、環境問題への取り組みなど、多様な活動をおこなう。著書に『2010年日本エネルギー計画──地球温暖化も原発もない未来への選択』(ダイヤモンド社)がある。代表の安藤多恵子氏は、『「現代」の授業を考える会』のメンバー。元・雑誌『ひと』編集委員。
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