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いのちに贈る超自立論
すべてのからだは百点満点 |
安積 遊歩●著 |
■2010年01月発行
■四六判・並製 192ページ
■本体1600円+税
■ISBN978-4-8118-0734-8 C0036 |
自立しているってどういうこと? お金を稼げること? 立って歩けること? 自分のお尻が拭けること? 「自立へがんばる障害者」像から一歩、踏みだし、すべてのいのちを肯定する著者が、未来を生きる娘に、そして社会へ贈る、あるがままに生きていい、というメッセージ。
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■おもな目次
はじめに
プロローグ──たったひとつの私のからだ
I 「治す」って、なんだろう──治療する側・される側 車イスはメガネと同じ 「治る」ということ 痛みと闘うだけで精一杯 骨折なしの一年 想定外の骨折 揺れる親心 手術が怖いのはあたりまえ
コラム1●コウ・カウンセリングと再評価カウンセリング
II いのちの市場化に抗う──後退と進化 精子バンクでいのちのショッピング いのちの商品化 出生前診断の功罪 医療の「進歩」 「進化」する優生思想
コラム2●優生思想と優生保護法
III 貧しい人から豊かになる──貧困と偏見 少女の目を盗らないで フィリピンの貧しい村で 生活保護を使いこなす ベーシック・インカム
IV 女性のからだを侵略するもの──セクシュアリティーと生殖 従軍慰安婦の絶望が見えなかった 謝って、そして耳を傾ける 強制不妊手術が生む絶望と無念さ 優生保護法が存在する社会とは 性器を切除される少女たち
コラム3●女性性器切除
V 生き延びる子どもたち──親と子、再考 親になるということ いのちの神秘のプロセス フィリピンから迎えた里子 川の字で寝る心地よさ 「おじいちゃんといっしょに寝るか?」 蚊帳のなかの蛍 母の涙 地獄のなかに天国をつくる子どもたち
VI 自分のお尻を拭けなくたって──プライバシーと自立観 中学受験 "お願い"で獲得した就学権 自分の部屋はありません 自分のお尻を自分で拭かなくてもいい 排泄の音
コラム4●ピア・カウンセリングと自立生活運動
VII 地球の上に連なって生きる──いのちとエコロジー 幼いエコロジスト 二歳まではみんな重複重度障害者 「這えば立て」の抑圧 共同生活はエコロジカル いのちとモノをたいせつにする暮らし 「まったく年をとると……」 人間は泣くことができる 三つのサンクチュアリ
おわりに
■著者紹介
1956年、福島県生まれ。生後約40日で「骨形成不全症」と診断される。1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。障害をもつ人の自立をサポートする〈CIL くにたち援助為センター〉代表。立教大学コミュニティ福祉学部兼任講師。 著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』、共著に『女に選ばれる男たち』(以上、小社刊)、『生の技法』(藤原書店)、共訳書に『自分を好きになる本』(径書房)など。
■関連記事
■立岩真也さん
安積さんは、人にものを頼むのが上手な人だ。このあいだもある催しでご一緒したとき、もってきて残った本の販売を頼まれて預かってしまった。そして電話がかかってきて、またこの原稿を頼まれてしまった。 次に安積さんは、基本とてもまっすぐな人で、書かれているとおりのことを思っていて、それで書いているのだから、ひねくれるのが仕事みたいな私にとっては、その紹介といって何を書いたらよいものか。これはもう読むしかない、私なんかになんにも加えることはないのだ。 ただ一つ、すなおでない私も、知りあって二十数年の安積さんが、基本そのときと同じで、ずっとまっすぐやってきたと思うとともに、自分や娘の宇宙さんの身体を「なおす」ことについてのためらいや、希望や、しかし、という揺れや複雑さを書いたところを、よく考えていったらどうなるのだろうと思った。痛みは「違和」であるとはっきりと書かれる。しかしそれを抱えてやっていくという。考えてみたい人は考えるとよい。私も考えてみるかもしれない。 そんな場所がこの本には、ほかにもいくつかあると思う。ただ安積さんは、やはり基本、勇気づける人で元気づける人だ。元気がなくて自信がもてないが、それはたぶん自分のせいではない、でもそれがなんだかよくわからないと思うことがある。そしたら、読んだらいい。
■関連ホームページ
著者家族のホームページ「三者三様」 http://www.geocities.jp/yuhoumihide/
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