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■著者紹介
4歳になる孫から「ハンメちゃん」と呼ばれ、悦んでいる。 ハンメとは、韓国の南の地方の方言。 いわゆる「標準語」では、ハルモニ(祖母)。 私が幼い頃、祖母をハンメと呼んでいた。 懐かしく、あたたかい響き。 手放すことはできなかった。 今後の老年期を謳歌すべく奮闘中の「道端のたんぽぽおばさん」。 たんぽぽの種のように、私の想い、自由にどこまでも飛んでいけ。 1953年、東京都生まれ。
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家族じゅうから祝福されて誕生した無邪気な女の子は、学童期になると、悩みを抱えるようになる。その悩みは、まわりの大人に聞くことがはばかられた。どう切りだして話をすればいいのか解らず成長する。 社会に出て、およそ両親には経験できなかったであろう世界のなかで彷徨する。ひとなみに恋愛もしたが、別離が前提の恋物語だった。 私のなりたかった職業は選べなかった。運よく正社員にはなったが、キャリアを積み上げられる仕事は、高卒の女性には容易になかった。先が見えない苛立ちを抱え、衝動的に結婚をした。結婚したらなんとかなると、自身が蓋をした苦悩から安易に逃げようとした。 しかし、逃げられなかった。 苦悩の正体を手探りでさぐりあててからは、結婚相手との格闘が始まった。 まず、いちばん身近な他人である夫に説明できないようでは、苦悩からの解放は望めないと思ったからだ。 それと同時期に、同じように苦悶している仲間たちを知るようになる。解決はしないが、心は軽くなった。ひとり悶々と悩みに対峙していても、堂々巡りのくり返し。共有する「問題」への共通理解は、思考を柔軟にしてくれる。 二十四歳で結婚し、二十五歳で第一子、二十七歳で第二子、三十歳で第三子を得て、現在五十三歳。数値的には標準的な女の半生である。けれども、どこかが違っていた。 そんな想いを文章にしてみた。 ごく個人的な日々の生活からうかがえる、世間との違和感を表現してみたいとの思いは、日本人の夫との暮らしのなかで深まっていった。 在日一世がつぎつぎと他界し、通名のまま墓におさまっていくなかで、その衝動をこらえることはできなかった。
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