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癒しのセクシー・トリップ
わたしは車イスの私が好き! |
安積 遊歩●著 |
■1993年11月発行
■四六判 232ページ
■本体2000円+税
■ISBN4-8118-0623-9 C0036 |
小さいときから、否定されてきた障害のある自分が、そのセクシュアリティをとりもどす遍歴のなかで、自己信頼を回復する。 ◎上野千鶴子さん評…自己否定感から自分をとりもどす闘い。それは遊歩ことUFOの前人未踏の冒険、こころとからだのトリップだ。
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■おもな目次
一章◎隔離のなかの性的抑圧 障害は治すものとの幻想にふりまわされる/「ごめんなさい」「ありがとう」を強要される/ 私は医学のモルモットじゃない!/こころをマヒさせて屈辱を乗りきる/ オーストラリアの医者は白衣さえ着ていない「あなたが好き」と言えなくなってしまった 二章◎押しつけられた自己否定 エネルギーの出口は怒りしかなかった/就学差別の壁に阻まれる/ クラスのなかに点数以外の価値観が育つ/追いつめられ、ひたすら死を思う/癒しのひとときに身をゆだねる 三章◎私のセクシュアリティー なかまと出会って街に出る/車椅子をつかってもいいんだ!/だれでも、たっぷり感じる心をもっている/ 初恋にからだへの受容を追い求める/自分が女性であることを確認したい 四章◎私のなかにもある差別するこころ なぜ障害のない人にしか心ひかれないのか/運動のなかで恋人と共同生活をはじめる/ 二十四時間、差別とたたかう/その人はその人のままでいい/セックスを性交のなかに封じこめていた 五章◎車椅子で体験したアメリカ ホーム・ステイでアメリカ流の自立を味わう/ボランティアを問いなおす/ “人とちがって当然”という社会に心やすらぐ/ここちよさの共有こそがセックスだ/ 自立を支えるピア・カウンセリングを知る/自分の生きたいように生きていいんだ! 六章◎性差別の厚い壁 アメリカから帰って、自由から抑圧へ/自由に生きていいんだ、だから、結婚へ 性差別にみちた結婚に打ちのめされる/「イヤだ」という自分の気持ちを大事にする 人を愛する気持ちにタブーなんてない/セクシュアリティーにロール・モデルはない 七章◎キズの癒し 抑圧された感情を解き放ってキズを癒す/コウ・カウンセリングは自己信頼を回復する 泣いていいんだよ、怒っていいんだよ/恐怖にみちた大人が子どもを追いつめる 自分のこころを感じてことばにする/一人ひとりの自己変革が社会を変える/ キズだらけの自己を抱きしめて立ちあがれ
■著者紹介
安積 遊歩(アサカ ユウホ) 1956年、福島県に生まれ、生後40日で骨形成不全症と診断される。 1983年から半年間、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介。障害をもつ人の自立をサポートする。 〈CILくにたち援助為センター〉(東京・国立)および、障害をもつフィリピンの子どもたちを支援する〈バタバタの会〉の代表。 再評価カウンセリングの日本におけるエリア・リーダー。 ◎おもな著書 『癒しのセクシー・トリップ』(太郎次郎社)、『ピア・カウンセリングという名の戦略』(共著・育英舎)、訳書に『ありのままの自分がいい』(共訳、クレア・パターソン著、太郎次郎社)、『自分を好きになる本』(共訳、パット・パルマー著、径書房)など。
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■上野千鶴子さん評
この本には、安積さんの人生がまるごと一冊、ズシン、とつまっている。 安積さんは障害をもって生まれた。この世に歓迎されないで生まれるって、世の中で最悪なこと。そのうえ彼女は、女だった。彼女は存在を否定され、からだを、性を否定され、その自己否定感と必死になって闘う。そして、自力で「私は私のままでいいんだ」と自己肯定を獲得していく。それは彼女が自分で自分につけた名前、遊歩ことUFOの、前人未踏の冒険、こころとからだのトリップだ。その旅程からだれもが学ぶことができる。 安積さんが中学生のときの担任がこう言ったという。「私のクラスはラッキーだったが、それは安積がいてくれたおかげだと思う」。同じように私も言いたい。「私たちの地球はラッキーだったが、それは安積さんがいてくれたおかげだと思う」。 安積さん、この本を書いてくれてありがとう。あなたを支え、あなたが巻きこんだ幸運な人たちだけでなく、もっと多くの人たちにあなたの声を届けることができるもの。
■関連ホームページ
著者家族のホームページ「三者三様」 http://www.geocities.jp/yuhoumihide/
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