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11月16日発売
その手は命づな
■定価=1,900円+税
■四六判・並製
 288ページ
■ISBN4-8118-0715-4

横川和夫=著
その手は命づな
ひとりでやらない介護、ひとりでもいい老後

 定価=1,900円+税

介護する側・される側、どちらの人生も大切にしたい。そんなシステムをつくりたい。
からだが弱っても、痴呆があっても、独り暮らしでも、暮らせる。
ほんとうに必要な手助けがあれば。おたがいさまの他人同士だからこそ、できることがある。
「まごころヘルプ」から「地域の茶の間」「うちの実家」へと広がる住民相互の支えあいを創った女たち。

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05/06/07

読者の手紙から

私は悪性関節リウマチのため障害1級です。だれかの手を借りなければ生活が困難ですが、介護保険の矛盾を感じながら、一人でも安心して暮らせる社会を願っているなかで、この本のなかにすべてが詰まっていました。

ただ単に手伝ってもらうのではなく、その人を生かし尊重する手助けを望んでも無理なことが多く、要求すると逆ギレされてしまう。そんな介護ではなく、明日につながる介護を実践している人びとに、心からエールをおくります。

……49歳・女性

 

05/05/18

寺尾寿芳さん(南山宗教文化研究所・非常勤研究員)
自立とは他者性を排除した孤立ではなく、自分を受容した上で、外へと新たな一歩を踏み出す小さな勇気を保持し続けること。

(「カトリック新聞」2005年5月15日号書評から抜粋)

主人公といえる河田珪子氏は、自らの病気や介護の体験から自立の重要性を痛感し、世間の常識に挑戦するがごとく新たな共生の在り方を追い求めていく。そこにはすごみさえ感じさせる意志の強さ、判断に願望を混入させない冷静さ、先見の明に富む発想の柔らかさが共存している。

しかしそれは単純な英雄物語や既成の成功物語ではなく、著者の誠実にして軽やかな筆致とも相まって、現在進行形の「宿題」へと読者の参加をいざなう、開かれた「課題集」の趣がある

一読して、現代日本社会の行く末を決する最前線は、もはや政治でも経済でもなく、福祉にあることが痛感された。経済的豊かさ、すなわち幸せという発想が骨の髄までしみ込んだ現代人、ことに男性にとって、多様な事情を持ちつつもこの現場にいち早く加わった中高年の女性に学ぶことは多い。

 

05/04/22

人間ってすごい、老いても怖くない、生きるってすごいと思える人間賛歌の記録。
まさにネットワークは、人の手による命綱なのだと、本書で大勢の人が証明している。

さわやか福祉財団発行の情報誌
「さあ、言おう」
(05年4月号)で紹介されました

「さわやか書棚」で紹介されたほか、巻頭特集「地域ネットワークをどうつくるか」にも河田珪子さんが登場しています。

(書評本文より抜粋)
それぞれの「生と死と家族」の人生ドラマが過不足なく描かれ、大河小説の圧巻を読了したような味わい。と同時に「どんな状態になっても助け合う仲間がいれば楽しい老後」と示唆されて明るい気持ちにもなれる。
ベテラン記者の取材は、適度な距離を保って温かく、丹念に「思い」を拾い上げている。その手法は「困っている人を誰一人見捨てない」という、(本書の中心人物である)河田珪子さんの決意とダブってくるのである。

 

05.04.06

太田勝さん(和歌山・夜回りの会」代表)評
(「カリタスジャパン」発行「カリタスジャパンニュース No.55」から)


「その手は命づな」という時の、綱の種類や長さがケースごとに違っていて、一番身近で身につまされるのは、年寄りが繰り返す「思い出話」。身内が聞き飽きたとき、外から入ってくる赤の他人の「まごころヘルプ」の人たちが、入れ替わり立ち替わり面白がって聞いてあげられることが、どれほど年寄りにはうれしいかということ。その極めつきが「まごころヘルプ」の中にもうけられている「うちの実家」という場である。実家に帰ったつもりで気楽に過ごせる場で、人々が出会い、そしてまたあの人の顔がみたいとまた訪れる。
この書評を頼まれている僕ら「和歌山・夜回りの会」の悩みは、野宿からアパート生活に移った人たちの一人暮らしの寂しさをどう解決するかである。もし、このような「うちの実家」があったらどれほど寂しさが紛れ、酒に頼る誘惑をさけられることか。 →全文を読む

 

05.03.23

INOの読書ノート」で紹介されました

ほんらい人には、自活する能力が死の間際まで備わっており、それを生かすも殺すも、じつは本人ではなく、周囲の人々の意識によるものであることも、本書から教えられる。
現在介護をしている人、これからネットワークを構築しようとしている人はもちろんのこと、何よりも行政に携わっている人は、これを読むだけでなく、このような活動のなかに入っていき、現実の介護の実態に触れてもらいたいと切に願った。→全文を読む(eonet.ne.jp)

 

 

 

05.02.24

共同通信配信書評(掲載紙:熊本日日新聞05年2月1日、岐阜新聞)

 在宅介護支援のネットワークを展開する新潟県の「まごころヘルプ」の活動を報告。さまざまな制約の中、緊急時に対応しきれない介護保険制度を補い、1日平均80件の要請に応えている。

 例えば仕事一筋の独身男性が、腎機能障害と心臓発作で倒れたケース。社会復帰に向けたリハビリの中心は「まごころヘルプ」の事務所スタッフとの触れ合いだった。

 介護する人、される人を区別しない事務所の雰囲気は「地域の茶の間」と呼ぶにふさわしい。

 

 

05.02.24

読者の手紙から

 介護については私はこれまであまり関心がなく、町を歩いていると、最近、新しい介護サービスの事務所を見かけ、いずれはこういうところのお世話になるのかなあと、チラと考える程度でした。さまざまなやりかたがあるのでしょうが、大部分はサービスを売るという新しい事業で、企業である以上は、収益を上げる「経営」なのだろうと認識していました。
 ところが、この「まごころヘルプ」はだいぶ違うようです。こんなシステムが身近にあれば、どんなに心強いでしょう。

 「介護する側・される側、どちらの人生も大切にしたい。そんなシステムをつくりたい」という理念で、河田珪子さんという方を中心に、苦心して立ち上げられた会です。河田さんはご主人の両親の介護のため、大阪をひきあげ新潟に越されたのですが、介護される側はもちろん、介護する側もつぶれないで生きていけるようにと試行錯誤してシステムをつくられたのです。

 著者の横川和夫さんは日本でも指折りのノンフィクション作家で、独特の、鋭いけれど人間味にあふれたあたたかい視線で、現代のさまざまな社会問題を掘り下げる書き手だと思います。『降りていく生き方』『不思議なアトムの子育て』も読みましたが、いずれも、ついつい引き込まれてしまい、あっというまに読んでしまいました。
 介護する人、される人、いずれは介護を受ける人、すべての人に、ぜひとも読んでほしい本です。

──八杉悦子さん(主婦)

 

05.02.10

三好春樹さん評
(医学書院『訪問看護と介護』05年2月号から。一部抜粋)

「老いと死を排除することで近代は始まった」と哲学者、フーコーは言ったそうだ。日本の社会はいまやその近代にどっぷりつかっている。それに対して老人介護の世界は、毎日、老いと死に関わっている世界だ。

 介護を知らない一般市民と、介護経験のある人の間には、深くて暗い河がある。(…中略…)彼女(河田珪子さん)と私の一般社会からのズレはここから始まったのだ。(…中略…)河田さんがやろうとしているのは逆だ。「まごころヘルプ」「地域の茶の間」「うちの実家」へと広がる彼女の実践は、近代化された世界のほころびで躓(つまず)く人たちを、老いと死を内包した共同性で受けとめようとしているのだから。

 彼女たちの実践はやさしく、それに共鳴する著者の文章もやさしい。だがそのやさしさは、人が老いて死ぬものだということを体験的に知っている人の、強さと、そして楽天主義に裏うちされているものだ。

 横川和夫氏は、『降りていく生き方』(太郎次郎社)の著者でもある。私たち介護関係者も大きな影響を受けている、北海道(浦河町)の精神障害者の運動体である「べてるの家」を取材した本だ。著者はその鋭い嗅覚で、北海道の「べてるの家」と新潟の「河田珪子」に通底する地下水脈に辿り着いたのだと思う。

 

05.01.19

 

紹介リーフレットができました

上野千鶴子さん(社会学・東京大学教授)

介護をめぐる冒険

 老いても住みなれた家で暮らしたい。
 どんな障害があっても、地域でふつうの暮らしがしたい。
 誰にとってもあたりまえなこんな願いがかなうのは、どうしてこんなにむずかしいのだろうか。→続きを読む

 

田中尚輝さん(NPO法人市民福祉団体全国協議会理事・事務局長)

深い人間探究の書

 本書は、河田珪子さんとその人間群像を「おたがいさま」という視点で描いているが、じつに深い人間探求の書である。河田さんは、市民と市民が相互に助けあう福祉活動の草分けであり、その具体化として新潟市に「まごころヘルプ」を創始した。→続きを読む

 

堀田 力さん(弁護士・さわやか福祉財団理事長)

安心感のプレゼント

 これからは、夫を看取った女性のほとんどが、あとは一人で生きていく時代になる。もちろん、妻に先立たれた男性も、同じである。
 そうなったとき、あなたは、どんな人に、どのように支えてほしいだろうか。
 また、一人では配偶者を支えきれないとき、あなたを親身になって支援してくれる人がいるだろうか。
 その答えが、この本に描かれている。→続きを読む

 

05.01.19

川辺一弘さん評
(インターネット新聞「JANJAN」から)
横川和夫さんの本だから、ぜひ読みたいと思った。彼の著作は、注目して読んできた。社会病理といえる事件をルポルタージュという手法で、事実に基づき解き明かしていく。その根底には、人間へのやさしいまなざしと、社会や政治に対する鋭い問いかけがあるからだ。→続きを読む(janjan.jp)

 

05.01.05

共同通信配信書評(掲載紙:信濃毎日新聞04年12月26日、南日本新聞)

 理想的な介護のあり方を模索する著者は、たった一人で在宅介護支援のネットワーク「まごころヘルプ」を立ち上げた新潟の女性、河田珪子さんに密着取材した。
 河田さんを起点に、取材は彼女の周辺を埋める介護現場の人物群へ広がり、優れたルポルタージュゆえ、読者の心のひだに理想の介護像が鮮明に刻まれていく。自分の番になったとき、どんな介護を受けたいか。キーワードは一言に尽きるわけだが、そこに至るさまざまな困難も、本書は同時に教えてくれる。

 

04.12.29

「苦労する当事者」と「無関心なその他おおぜい」という断絶を超える       (読者の手紙から)

 よくあるハウツー本ではなく、「そもそも介護とは何なのか」というところを掘り下げてあるので、僕みたいに介護についてほとんど知らない者でもスラスラと読み進められました。

 介護や福祉のあり方を、おもに制度面から説明するような新書本の類は、本屋へ行けばそれこそ山のように置いてありますよね。新聞でも、介護制度の細かい部分をああだこうだと論じるだけの記事は、結局、数字をめぐる視野の狭い話になってしまい、読者にとってはあまりピンと来ないのではないかと思います。

 就職試験で僕は、農業問題で国民の間にある「断絶」を埋めたいということをひたすらアピールしたのですが、介護でも同じ構図かもしれないと感じました。現場で苦労する一部の当事者と、ほとんど無関心なその他おおぜい。結局、介護問題にあるのも、こうした意識の断絶だと思います。

 この本では一貫して、現場の人たちの言葉を中心に構成されているのが、とても共感できました。著者の横川さんは、聞き手として話を聞きだし、断絶の先にいる「その他おおぜい」に当事者が語りかけるための「後押し」に徹しているように思います。シンプルだけど重い存在感というか、それが横川作品から一貫して受ける印象です。
 自分がその人たちと横川さんのインタビューに立ち会い、彼らの一人ひとりから語りかけられているような気になりました。

 それにしても、河田珪子さんはすごい方ですね。もちろんこの本に出てくる方たちの一人ひとりに「ドラマ」を感じだのですが、やはりこの本は河田さん抜きには語れない。感じるものがあった部分は鉛筆で線を引きながら読み進んだのですが、河田さんが話すところには線を引きっぱなしでした。苦悩し、試行錯誤するなかで、本当に多くのことを、深く考えられてきたのだろうと思います。

 生意気なことを長々と書いてしまってすみません。
 僕の実家では祖母が高齢なので、父、母にも参考になる部分がおおいにあると思います。
 面白い本を、ありがとうございました。

(京都・大学4年生、ジャーナリスト志望)

 

04.12.15

加藤和雄さん評
(ジャーナリスト)

 みんなに読んでほしい本だと思います。介護する立場であれ、される立場であれ、だれもが避けることのできない人間の哀しい現実が描かれています。
 私にとっても身につまされる問題で、いまなお亡き妻との最期の日々をあれこれと思い起こさない日はありません。
 家族という密室的空間のなかで処理されがちなこの問題を、開かれた社会的視点でとらえ直し、取り組んでいこうという人たちはほんとうにすごいと敬服します。
 突き詰めれば、人間とはなにか、人生とはなにかを考えさせてくれる問題だと思います。この一冊には大事なことがいっぱい詰まっています。

 

04.12.10

週刊新潮(04年12月16日号)

老いたとき、病んだとき、何があれば心豊かに暮らせるか。「お金」と「家族介護」は意外にもその絶対条件ではないらしい。「生と死と家族」のかけがえのないドラマを追い、いい老後・いい介護を問い直す渾身のルポルタージュ。読後感は、人への信頼感である。

 

04.12.07

 

月刊望星(05年1月号)

介護保険導入以前の1990年、「ないなら自分でつくるしかない」と、新潟でたった一人の女性のニーズから立ち上がった民間の在宅介護支援ネットワーク。追い詰められない介護、我慢しない老後のかたちに挑戦する「人の手ネット」の活動を、膨大な話の聞き取りによってまとめたもの。介護される側も介護する側も、どちらの人生も大切にしたいという気持ちが随所に込められている。”生と死と家族”の風景を描いた、書き下ろしノンフィクション。

 

「まごころヘルプ」から「地域の茶の間」「うちの実家」へ
まごころヘルプは、介護する側・される側どちらの人生も大切にしたい、そのための住民参加型福祉サービスをという思いから、河田珪子氏が1990年に立ち上げた。介護・介助・子育て支援などのほかにも宅配夕食サービス、誰でも憩える「地域の茶の間」、誰でも泊まれる「うちの実家」などをスタートさせ軌道にのせる。03年度のヘルプ活動は4万3000時間、配食2万2500食、ヘルプを利用&提供した会員は2870人。利用する側の視点に徹底してたつその手法に信頼が集まる。

 

 

リンク

新潟福祉公社 まごころヘルプ
「まごころヘルプ」の公式サイトです。

 

 

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