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日本語の豊かな使い手になるために
読む、書く、話す、聞く

日本語の豊かな使い手になるために 読む、書く、話す、聞く

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日本語の豊かな使い手になるために
読む、書く、話す、聞く

発行日 2002年07月発行
判型 四六変判・並製
頁数 288ページ
価格 本体 1600円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0667-9
Cコード C0081

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内容

ことばをとおして想像力を解放することが困難な現在、ことばの教育をどう改めたらよいのか。ことばの楽しさと豊かさを味わうための哲学と方法を、詩人と実践家の交流から拓く。ことばは知識ではなく、経験である。

目次

I ことばは知識ではなく、体験である
1 ことばの社会性について
ことばと社会の構造との関係/ことばをおいしく料理する/楽しさから自分の世界を広げる/詩歌の生まれる背景/個性の競いあいと調和/内面を表現しあえる場/「宴」(うたげ)と「孤心」/開かれた対話が成立する条件

2 「ことばを体験する」とは
ことばの体験から、ことばの知識へ/ことばの力を弱めているもの/子どもたちの空想力とファンタジー/ことばの手ざわりを大切にする/ことばとの出会い/ことばに対する興味と抵抗感/子どもたちがことばを体験するとき

3 ことばが知識として定着するまで
ことばを学ぶことが成立する条件/表現する意欲と集中力を育てるために/知識が創造的な力になるとき/精神が解放されるひとつの方法/ことばを引き寄せる心の状態


II ことばの教育の基礎を考える

1 「話し・聞き」と「読み・書き」の違い
なぜ、「話し・聞き」中心にしたか/ことばは「関係」のなかで身につく/「孤独」が象徴する青少年の心/「話し・聞き」と「読み・書き」の基本的な違い/大人に向けてのメッセージとして

2 豊かな人間関係とことばについて
子どもが詩人になるとき/ことばを音声化することからの出発/敬語をめぐって/世界の言語を背景に、母語と方言を考える


III ことばが誕生するとき

1 「ことば遊び」がことばの根を養う
なぜ、子どもは「ことば遊び」を喜ぶのか/ことばの法則性を発見する/ことばをことばとして味わう/功利的な言語で成り立つ現代社会/大人社会の言語の性格を照らしだす/民衆のなかに無数にあった遊び歌/ことわざも詩歌のひとつ/ことばを排除する管理社会

2 ことばと事物の対応とは
正確な表現とはなにか/ことばが生命力をもつ背景/ことばが飛び出してくる瞬間/朗読することの意味をめぐって/「どもりのハーモニー」とはなにか/ことばが生きかえるとき

3 文章をどのように読むか
全体と部分をどう考えるか/手さぐりで読みすすむ/読む力をつけるには/時代によって動くことば、動かないことば/ことばの性質と人間の性質


IV ことばの音とリズムの世界

1 ことばのリズムと心の動き
「折々のうた」にこめられた意図/ことばのリズムを授業で生かす/リズムをとおして聞こえてくる声とは/リズムを無心に受け入れる子どもの心
 
2 ことばを音声化することの意味
はじめに「声」があった/ことばによって人間は人間になる/ことばを全身の行為としてとらえる/声はひとをあらわす/沈黙する子どもの内面とは

3 話しことば、書きことば
朗読の本質は対話にある/言語の共有と心の解放/同人誌をつくった体験から/句読点と話しことばの関係/肉体の自然にそう話しことば/話しことばと書きことばを結ぶもの


V 書くことと創造力

1 書くことの起点をさぐる
「よく見て書く」ことのむずかしさ/子どもの想像力が動きだす条件/「正しい順序」はない/形式が創造を生みだす/ことばはイメージの流れのなかに

2 イメージと創造力をめぐって
シュールレアリスムと教育の接点/無意味を主張する/無意識の世界をさぐる/イメージの連鎖と集団の創造力/子どもの創造力と残虐性/いながらにして見知らぬ世界へ

著者紹介

大岡信(おおおかまこと)

詩人。1931年、静岡県三島市に生まれる。東京大学文学部卒業。 詩集に『記憶と現在』『悲歌と祝祷』『春 少女に』『水府』『詩とはなにか』『ぬばたまの夜、天の掃除機せまつてくる』『故郷の水へのメッセージ』『地上楽園の午後』『火の遺言』『捧げるうた50篇』『世紀の変り目にしやがみこんで』など。 著書に『折々のうた』(正、続、第三~第十、新1~新6)、『詩への架橋』『抽象絵画への招待』『連詩の愉しみ』『現代詩試論』『紀貫之』『彩耳記』『岡倉天心』『うたげと孤心』『表現における近代』『万葉集』『ヨーロッパで連詩を巻く』『窪田空穂論』『詩人・菅原道真』『詩をよむ鍵』『一九〇〇年前夜後朝譚』『正岡子規─五つの入り口』『日本の詩歌 その骨組みと素肌』『ことのは草』『ことばが映す人生』『私の万葉集』(全5冊)、『大岡信著作集』(全15巻)、『日本の古典詩歌』(全6巻)など。

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