公論よ起これ!「日の丸・君が代」
法制化論議のなかで日の丸・君が代の封印を解く
公論よ起これ!「日の丸・君が代」
法制化論議のなかで日の丸・君が代の封印を解く
発行日 |
1999年06月発行 |
判型 |
菊判・並製 |
頁数 |
200ページ |
価格 |
本体 2000円+税 |
ISBN |
ISBN978-4-8118-0652-5 |
Cコード |
C0036 |
「日の丸・君が代」法制化の問題点は何か。歴史・政治・教育の第一線の著者たちが、その検討の多角的な視点を提出する。ダグラス・ラミス、徐京植、網野善彦、関曠野、家本芳郎、無着成恭、新崎盛暉、和仁廉夫、佐藤秀夫ほか。
プロローグ’99「日の丸・君が代」問題の新局面……ほんとうに問われるべきはなんなのか◎藤本卓
「日の丸・君が代」法制化推進の舞台裏……野中官房長官の三つの読み違え◎榊原智史
「君が代」なんて、知らないよ……主役を無視した法制化議論◎北野杜宏
「日の丸・君が代」強制の二十年が福島県から何を奪ったか……誇りを奪われ、“あきらめ”に覆われる教育現場◎前野裕
“嘘を生きる”ことのシンボル……「日の丸・君が代」強制が教えるもの◎D・ラミス
変わらない日本……在日朝鮮人からみた「日の丸・君が代」法制化問題◎徐京植
`99年春、教育現場の「日の丸・君が代」
卒業式はだれのためのものか◎牧野京子
危機に瀕している学校自治◎池野真
都教委によることこまかな指示の強制◎鈴木啓
花綵列島の歴史のなかに「日の丸・君が代」をおいて視る……「日本」という国名、天皇の称号、そして「日の丸・君が代」◎網野善彦×ききて藤本卓
象徴天皇制は不問のままでいいのか……中身なき旗と歌の百五十年◎関曠野
国旗・国歌の“法制化”とはどういうことか……戦後も棚上げされつづけた課題◎小路田秦直
学校に“儀式”は必要か……「日の丸・君が代」強制のなかで考える
一体感が目的の儀式には反対したい◎金子奨
“儀式”ではなく、創意にあふれる“つどい”へ◎葛岡雄治
儀式を奪われないために◎家本芳郎
教育実践としての儀式◎千葉律夫
賊軍の旗としての日章旗……仏教者としての私の主張◎無著成恭
キリスト者として歴史・社会に目を開かれる……広島にわきあがる強制反対の市民運動◎土井桂子
沖縄は「日の丸・君が代」法制化をどう見るか……“本土なみ”実施へのしたたかな対応◎新崎盛暉
アジアは「日の丸・君が代」法制化をどう報じたか……中国・香港・マレーシア・シンガポール・韓国◎和仁廉夫+尾花清
いまこそ歴史の封印を解くとき……「日の丸・君が代」、日本近現代を“しるす”もの◎佐藤秀夫
あとがき◎藤本卓
藤本卓(ふじもとたかし)
大東文化大学文学部教育学科教員(教科外教育論担当)
ロンドン大学・教育研究院客員研究員(2006年4月〜2007年3月)
教育実践のレトリック論的究明を指向して、教科外教育/生活指導分野での教育方法をおもな考察対象に設定している。
翻訳書に『あきらめない教師たちのリアル──ロンドン都心裏、公立小学校の日々』、編書に『公論よ起これ!「君が代・日の丸」』(以上、小社刊)。
最近の論稿として、「悦ばしき“学び”、か?──柳田國男による『マナブ』と『オボエル』の対照のトポスについて」(『大東文化大学紀要』第46号〈人文科学〉)、「“パストラル・ケア”、その叢生と褪色──英国公教育に“生活指導”の似姿を垣間見る」(同・第47号〈社会科学〉)がある。
網野善彦(あみのよしひこ)
1928年生まれ、歴史研究者。専攻は中世日本史。2004年没。著書に『無縁・公界・楽』『日本論の現在』『正続 日本の歴史をよみなおす』『日本社会再考』『日本社会の歴史』ほか多数。
新崎盛暉(あらざきもりてる)
1936年生まれ、沖縄大学教授。著書に『沖縄現代史』(岩波書店)、『沖縄同時代史 第一~八巻』(凱風社)、『沖縄のこれから』(ポプラ社)ほか。
家本芳郎(いえもとよしろう)
1930年生まれ。元教師。現在、全国教育文化研究所、日本群読の会。著書『指導の技法』高文研、ほか。
池野真(いけのまこと)
1945年生まれ。千葉県立・東葛飾高校教員。全国高校生活指導研究協議会・常任委員、『高校生活指導』編集委員。
尾花清(おばなきよし)
大東文化大学教員、専攻は教育学、解放後韓国教育思想研究。著書『道徳教育論』、論文に『韓国の教育と教師・子ども』、ほか。