府川源一郎(ふかわげんいちろう)
一九四八年、東京生まれ。横浜国立大学大学院教育学研究科修了。川崎市の公立小学校で普通学級、障害児学級を担任。横浜国立大学教育学部付属鎌倉小学校教諭を経て、現在、同大教育人間科学部教授。おもな著書に、『消えた「最後の授業」-言葉・国歌・教育-』(大修館書店、一九九二)、『「国語」教育の可能性』(教育出版、一九九五年)、『文学すること・教育すること-文学体験の成立をめざして』(東洋館出版社、一九九五)ほか。
発行日 | 1998年08月発行 |
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判型 | 四六判・並製 |
頁数 | 184ページ |
価格 | 本体 1800円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0646-4 |
Cコード | C0036 |
学校時代の忘れられない出来事。その場に立ち会った教師・友人・親の証言を得て、14人の大学生が出会いなおした学校体験。他者の目を獲得し、記憶を複眼でみて再編集する。それを書くことで何が起こったか。
プロローグ「教育体験」を書く
教育体験を語ってみよう
絶対化されがちな「教育体験」
書くことで体験の相対化へ
自己解放としての書く行為
他者の視点を導入する
「教育体験を書く」という課題
教育する側とされる側の対話へ
I “いじめ・荒れ”の日々のなかで
1いまは辞めてしまった「先生」へ 高橋薫
2「あなたで、よかったわ」というひとこと 金子祐子
3いじめて、ごめんなさい 関大輔
II ふつうの日々の出来事のなかで
1ぼくがいちどだけ殴られたのは 上見哲広
2キノー・ヒ・デッキ日和 大竹園子
3涙の卒業式、のはずだったのに
III 自分へのこだわりのなかで
1投函しなかった一通の手紙
2“あきらめ”る人びとをつくる教育
3“嫌な課題”を出す府川先生へ 山田花子
IV 学校の外で、学校の内で
1盗んでつらかったやろ 阿部大嗣
2獅子舞の伝承のなかで 池田孝
3授業の面白さこそが 池田征史
V “書くこと・聞くこと”の成長のなかで
1母親からのながい手紙 池永聖子
2だれもしあわせにしなかった“解決” 多田麻子