千葉保(ちばたもつ)
1945年、宮城県生まれ。國學院大学講師。神奈川県鎌倉市の小学校教員をへて、2006年まで神奈川県三浦市の小学校校長をつとめる。「使い捨てカメラ」「ハンバーガー」「カード破産」「エネルギー・ショッピング」など、身近な題材を社会の問題へとつなぐ授業を数多くつくる。 著書に『お金で泣かないための本』『はじまりをたどる「歴史」の授業』『食からみえる「現代」の授業』、共著書に『エネルギーと放射線の授業』、監修に『コンビニ弁当16万キロの旅』など(以上、小社刊)。
発行日 | 1991年01月発行 |
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判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 288ページ |
価格 | 本体 2000円+税 |
ISBN | ISBN978-4-8118-0103-2 |
Cコード | C0036 |
子どもたちは、いつもその時代の課題に鋭敏だ。〈ゴミと環境汚染〉〈国際化と食糧〉〈戦争と国家〉など現代の突出したテーマを彼らにぶつけた12の授業。子どもたちは問題にとり組み、考え、討論し、自分の意見を構築してゆく。
I……日本は、「ゴミ」に埋もれる?
●「使い捨てカメラ」の授業–便利さがゴミを生みだす
撮り終えた使い捨てカメラは、どこへ?/一ヶ所で一ヶ月、6万個が捨てられる/ディベート:使い捨てカメラ、賛成、反対!
●「プラスチック・トレイ」の授業–腐らないゴミは燃やせばいいか?
なぜか、授業は夕飯の買い物から始まる/年に1万5千円だしてゴミを買っている/プラスチックは燃やすのか、埋めるのか/ディベート:消費者vsスーパー店長
●「わりばし」の授業–使い捨て日本を考える
日本人は、いつからわりばしを使ったか?/日本のわりばし工場は、なぜ減ったか?/アジアの熱帯林を買い占めているのは、だれか?
●「原発」の授業–“死の灰”は捨てられない
安全で低コスト、これぞ原発!/はるばる新潟から電力をもらう/鎌倉に原発があれば、教室は冷房完備!/原子炉にたまった死の灰は、どうするの?
II……日本の「飽食時代」は、いつまでつづく?
●「ハンバーガー」の授業–1個で9平方メートルの熱帯林が消える
マクドナルドは、ハンバーガーを年に何個、売る?/ハンバーガーを食べると、熱帯林が消える?/なぜ中南米産の牛肉は安いのか?
●「お肉」の授業–アメリカの食料戦略と日本の食卓
なぜアメリカの畑はまるいのか?/アメリカであまったトウモロコシは、どうなるか?/アメリカの食料戦略は鶏肉から/ブロイラー残酷工場
●「ポテト」の授業–フライド・ポテトから見えてくる日本経済
はじめてジャガイモを作った県は?/いちばん多く作っている県は?/なぜジャガイモを貯蔵しておくのかな?
●「クジラ」の授業–乱獲の歴史をたどる
日本の水産業に何がおきているのか?/日本はなぜ、南氷洋に進出したのか?/いま、クジラはとってもいいのか悪いのか?
III……「日本」という国は、どうなる?
●「日清戦争」の授業–侵略戦争ってなんだ?
この軍艦の数で、清国と戦争やれる?/軍艦を買うために、どんな税金をとりたてたか?/
オレも朝鮮に行って、ひともうけしよう/賠償金は、どんなことに使ったか?/台湾は、どうなったか?
●「日本の領土」の授業–戦争の歴史がしるされる
東西南北、どこまでが日本?/南鳥島には基地がある-東端/沖ノ鳥島に、なぜこだわるか-南端/
与那国島からは台湾が見える-西端/戦争が領土を変える/国後、択捉島を考える-北端
●古事記「天孫降臨」の授業–神話か史実か?
歴史資料として、どう解釈するか?/神様は女の人に目がない-古事記を読む/神話をどのように教えていたのか?/神話を手がかりに古代史に迫る
●「日の丸」の授業–いつ、どのようにして国旗になったのか?
「日の丸」は、いつ国旗となったのか?/日本の国は、どうやってできたのか?/中世に「日の丸」はあったのか?/
幕末のころ、「日の丸」を使ったか?/大日本帝国憲法で、「日の丸」を国旗にした?/日本の国旗は、どうしたらいいか?
30代・女性
教科書だけの知識など、すぐに忘れてしまうもの……でも、自分自身で考え、どうしたらいいかと行動に移してゆく学習は、子供達に感動を与えるものだと痛感しました。事実を学び、問題の本質を考える、そこから自主的な見解をもってゆけるような授業(学習)が目の前に展開しており、おどろきました。
40代・女性
綿密な資料収集・計画で、生徒の興味を引きつける授業の進め方に、こちらまで興味を持って読みました。この中の1つを、前の職場の同僚が実践されていたので、興味深いでした。